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はじめに空手道は、沖縄において禁武政策の中わが国独自の武器を持たない徒手空拳の武術として発展し、国内に広まっていく中で、日本古来の武道の精神を受け継ぎながら、術から道に発展したわが国固有の武道です。
空手道の練習には、形の稽古と組手の稽古があります。形は、相手を付けずに単独で伝統的な空手の技を決められた動きの中で相手の攻撃を想定して行います。動きは左右均衡に構成され、正しい呼吸法を用いながらバランス良く身体を鍛えながら同時に柔軟性も養います。その中で、力強さ・スピード・バランス・極め・流れるような動きなど工夫し、自己表現することにより、身体鍛えるだけでなく心と身体のバランスを養えることができます。組手は、相手を付けて決められたルールの中で突き蹴りにより得点を競い合います。自身の動き方により相手の動きが変化し、相手の動き方により自身もそれに対応していかければなりません。見て動く力・感じて動く力を養い、動き方を創意工夫して、相手より先に動くことを学びます。空手道とは、形と組手の稽古の中で相手の気持ちや痛みがわかるようになり、人に手を差し伸べることができるようになります。
これからご入会をお考えのご父兄の皆様に、3才より入門し空手道において多くを経験させて頂き、今日では実子のみならず多くの子供達に空手道の指導をしている自身の話をさせて頂きます。
私は3才の頃より空手道を始めて、やっと47年目にして気付いたことがあります。それは、『父はなぜ空手道を始めたのか』ということです。その答えが生前の父との会話を自分なりに理解できた時に私の人生観のすべてが変わりました。私の空手道の師である父は、少年時代の自身の不甲斐なさに気づき、祖父に隠れてまで空手道の修業をする中で、人生において順逆を超えるために学び『我づくり』に取り組んだのだと感じました。人物学の第一条件は、我づくりです。私は師から受け継いだ空手道が、『人物学(我づくり)』の手段として子供達に指導していくことが使命だと痛感しています。